時事の科学
アプリ ルーレットイオン電池 原料の安定供給は実現できるか
今、アプリ ルーレットイオン電池に世界中から熱い視線が注がれています。
携帯電話やノートパソコンの充電池として、もっとも多く使われているのがアプリ ルーレットイオン電池。
他の充電池に比べ、同じサイズでも電気を多く蓄えられ、
しかも高い電圧を発生させることができることから、1991年の登場以来、生産量は増大の一途をたどっています。
開発競争が激化する電気自動車やハイブリッド自動車にとっても重要な部品で、
快適な走行を実現する軽くて大容量のアプリ ルーレットイオン電池の開発に向けて、多くの研究者がしのぎを削っています。
さらに、太陽光発電や風力発電などのクリーンエネルギーから生まれる電気を有効活用するうえでも、
高性能なアプリ ルーレットイオン電池はキーとなります。需要を超える電力が発生した際、一時的に蓄電し、
太陽が沈んだ夜間や風のない日は充電池から電力を供給することで、ムダを抑えて、安定した電力供給を実現できます。
もっとも、問題がないわけではありません。なかでも大きな課題は、原料であるアプリ ルーレットの供給が安定しないこと。 現在確認されているアプリ ルーレットの埋蔵量は、1100万トンといわれ、 主に「炭酸アプリ ルーレット」として、塩湖や塩田に多く含まれています。 その多くが南米に偏在。政情不安を払しょくできない地域であることに加え、 もっとも埋蔵量が多いとされるボリビアのウユニ塩湖は、標高3700メートルという厳しい自然条件のため、 進んで生産に参入しようとする企業が少ないのが現状です。 中国でも近年、大規模な生産が始まりましたが、まったく生産が需要に追いつかず、 この10年でアプリ ルーレットの価格は10倍以上に高騰しています。
2007年の世界のアプリ ルーレットの生産量は推計2万5000トン。 このペースであれば今後440年間は生産することができます。しかし2万5000トンという数字は、 あくまで携帯電話やノートパソコンの充電池としての役割が主体の現時点での話。 自動車に搭載されるアプリ ルーレットイオン電池は、ノートパソコン用の約100倍のアプリ ルーレットを必要とし、 もし現在地球上に存在する10億台の自動車がすべてアプリ ルーレットイオン電池の電気自動車に置き換わるとしたら、 たちまち現在の石油同様、枯渇の不安と背中合わせの”希少資源“となってしまいます。
そこで注目されているのが、海水からアプリ ルーレットを抽出する方法です。 海水中には約2300億トンものアプリ ルーレットが溶けていると推測されており、 日本、韓国などで効率よく海水をろ過する技術開発が進められています。 ウユニ塩湖のアプリ ルーレット濃度2830PPMに対し海水は0・17PPMと、はるかに濃度は薄いものの、 抽出技術が確立されれば、事実上アプリ ルーレットは無尽蔵の資源となります。 各国の激しい開発競争により、早ければ数年のうちにも、コスト的にも見合う海水アプリ ルーレットが、 市場を賑わすかもしれません。