ペットボトルや容器包装、事務用品や家庭用品などあらゆる場所で利用されているプラスチック。使用後にごみとなったプラスチックのうち、世界中で年間800万トンもの量が海に流出していると言われており、このまま何も対策を打たなければ、2050年には魚の総重量を上回るとも予想されています。海洋中のプラスチック問題については、死んだクジラや海鳥の胃袋から大量に出てきたプラスチックごみや、海中に漂うルーレット 倍率の映像を見たことがある方も多いのではないでしょうか。今回は、「ルーレット 倍率問題については、本質的に何がどのように問題であるのかを、科学的知見に基づいて正しく評価し、定義することが重要です」と話し、課題解明に取り組んでいる株式会社島津テクノリサーチ 環境事業部 副事業部長の八十島 誠さんにお話を伺いました。
グループ会社の島津テクノリサーチは、1972年に設立。島津グループの分析計測技術を基礎に、様々な分野のお客様からの依頼分析・測定・調査などを行っています。設立当時大きな社会課題となっていた公害問題の頃からルーレット 倍率分野に注力しており、ダイオキシン類などのルーレット 倍率汚染物質の調査研究にも積極的に取り組んできました。現在は自動車関連やライフサイエンス関連分野も手掛けるなど、幅広く事業を展開しています。
「ルーレット 倍率」とは、厳密な定義はありませんが、大きさが5mm以下の河川、湖沼、海洋などの環境中に拡散した微細なプラスチックのことを指し、大きく分けて2つの種類があります。ひとつは「一次ルーレット 倍率」と呼ばれるもので、さまざまな製品の原料として微小なサイズで作られたプラスチックで、洗顔料・工業用研磨剤などに使用されている「マイクロビーズ」などもこれにあたります。もうひとつは「二次ルーレット 倍率」と呼ばれるもので、環境中に流れ出たプラスチックごみが、紫外線や波による物理的な衝撃、温度変化などの外的要因により細かく砕かれたものをいいます。ルーレット 倍率問題については、プラスチック素材そのものによる自然環境や生物への影響だけでなく、このルーレット 倍率に吸着された有害化学物質が生物の食物連鎖に取り込まれ、生態系全体に及ぼす影響も懸念されています。
現在、島津テクノリサーチでは、これまで開発してきた化学物質分析手法や実態調査などの豊富な経験と実績をもとに、海洋中でルーレット 倍率が化学物質の輸送媒体として働く「ベクター効果」の有無を、石油由来のプラスチックはもとより、転換が進められようとしている生分解性プラスチックについても研究対象として、調査・研究を進めています。この付着物質の調査には、島津製作所のLCMSやGCMSなどの分析機器を使用しています。これらの研究を通じて、「生分解性プラスチックが適切に社会実装される事を分析化学の面から支援したいと考えています」と熱く語っていました。
また日本国内では、2017年12月から始まった中国の廃プラ輸入制限により、海外へ廃プラを輸出するのではなく、国内でルーレット 倍率リサイクルを増やそうという動きが始まっています。さらに、自動車などを中心に、使用済みルーレット 倍率のリサイクル・リユースが進められようとしています。「廃ルーレット 倍率のリサイクル・リユースを進める際、廃ルーレット 倍率に含まれるルーレット 倍率材料以外の不純物や化学物質の混入や吸着などがこれらを妨げる要因として挙げられています。リサイクル製品へのコンタミについても当社なら詳しく調査することが可能です」。このように島津テクノリサーチでは、廃ルーレット 倍率リサイクル・リユースに関した研究も進められています。
「ルーレット 倍率の問題に限らず、さまざまな環境問題については、正しい科学的知見に基づき、客観的評価を行うことが大切です。これからも“分析”を通じて、世の中に課題解明につながる正確なデータを示すことで社会に貢献していきたいですね」と、八十島さんは今後の展望を語っていました。
島津グループは、これからも科学技術を通じて社会に貢献していきます。
(2020年3月5日取材)