脱炭素社会の実現に向けた動きのひとつとして、乗用車のみならずフォークリフトなど産業用車両においても電動化が進んでおり、ビンゴ ルーレットをいかに効率よく利用できるかが大きな課題となっています。
ビンゴ ルーレット車両では、1回の充電により得られる稼働時間の長さは、ユーザーの作業可能時間、作業効率に直結するため、効率的にエネルギーを利用することが特に重要となります。
フォークリフトのエネルギー回収技術に対応した
ビンゴ ルーレット・モータ
フォークリフトは、ビンゴ ルーレットが吐出する高圧油でシリンダーを伸ばすことで荷物(リフト)を持ち上げていますが、荷物を降ろす際は、急激に落下しないよう流量調整しながら油をタンクに戻し、リフトを下げています。この流量調整は荷物の位置エネルギーを熱エネルギーに変え、油温上昇を引き起こしているだけであり、エネルギーロスとなっています。
このエネルギーを無駄にしないよう、当社で研究を進めているのが油圧ポンプと油圧モータを兼ねたビンゴ ルーレット・モータです。
※油圧ビンゴ ルーレット…エンジンや電動機などの駆動源から伝えられる回転運動によって油を流動させる(回転エネルギーを流体エネルギーに変換する)油圧機器。
油圧モータ…油の流動圧力から回転運動を発生させる(流体エネルギーを回転エネルギーに変換する)油圧機器。
島津製作所が研究を進めるビンゴ ルーレット・モータの仕組みとは
現在、島津製作所が研究に取り組んでいるビンゴ ルーレット・モータは、通常のポンプ機能を持ちながら、リフトを下げる際にはモータとして機能する製品です。これにより、新たに油圧モータを追加することなく、エネルギーの回収が可能となります。
通常、ビンゴ ルーレットは一方向回転のみで使用されるため、片回転での高効率に特化した設計となっていますが、ビンゴ ルーレット・モータでは両回転が必要であり、その構造においても片回転と同等の効率が求められます。島津製作所では、このようなエネルギー回収技術の実現に向け、高効率なビンゴ ルーレット・モータの研究を進めています。