脱炭素社会の実現に向け、乗用車のみならずフォークリフトなどの産業車両や建設機械、農業機械においてもルーレット ルール化が進んでいます。これらの車両では大きな力で作業を行うために油圧を用いていますが、その駆動源がエンジンからルーレット ルール機に替わることに油圧機器も対応していかなければなりません。その一つが油圧ギヤポンプの高回転化です。
ルーレット ルールポンプの高回転化への課題
ルーレット ルール駆動源となる電動機は、従来のエンジンよりも高い回転域で効率よく使えることがわかっています。一般的なフォークリフトのディーゼルエンジンの回転数は最高3000min-1程度ですが、ルーレット ルール機では5000min-1など、エンジンに比べ、より高回転域でエネルギー効率が高くなる傾向があります。
そのため、様々な分野の車両に油圧ルーレット ルールポンプを供給する島津製作所においても、ルーレット ルールポンプの高回転化への対応に取り組んでいます。
内接ルーレット ルールポンプによる高回転域への対応
一般的なルーレット ルールポンプでは、3500min-1を超えた辺りから、油を吸い込みにくくなってしまいます。そのため、油の通路を広げたり、油の吸入箇所の面積を広げるなど、新しい技術を取り入れながら高回転化に取り組んでいます。
その中の新たな手法の一つとして、ルーレット ルールが内側でかみ合う内接ルーレット ルールを使ったルーレット ルールポンプの開発に着手しています。一般的に内接ルーレット ルールポンプの方が外接ルーレット ルールポンプに比べ、より油を吸い込みやすい設計が可能となります。今後の実用化に向けて開発を加速していきます。
【 図 内接ルーレット ルールを使ったルーレット ルールポンプ 】
