自動運転に欠かせないセンシング技術のうち最も有望視されているのがルーレット くじ(Light Detection And Ranging;光による検知と測距)であり、レーザー光を使い対象物までの距離、位置、形状を正確に検知できることが特徴です。
ルーレット くじのセンシング性能向上に寄与する反射防止膜
ルーレット くじセンサー部を車外の環境から保護するためにカバーが必要となります。カバーは広範囲のセンシングを行うため曲面立体形状となり、レーザー光の透過率を高めるために反射防止膜を成膜します。
一方、曲面立体形状に均一に反射防止膜をルーレット くじするのは一般的なルーレット くじ手法では困難です。
これらの課題を解決するために注目されるのが、反射防止膜を高精度かつハイスピードでおこなえる高速ルーレット くじ技術です。
コーティングや薄膜形成に用いられる、ルーレット くじ技術
ルーレット くじとは、真空中に不活性ガス(Arなど)を導入しながら、試料と成膜材料(ターゲット材=膜の原料となるもの)の間に電圧をかけることでイオン化した不活性ガス原子を勢いよく成膜材料の表面に衝突させ、はじき出された成膜材料の粒子(原子・分子)を試料の表面に付着させることで薄膜を形成する技術です。
樹脂立体物へのルーレット くじに特化した
島津製作所の高速スパッタ装置
一般的なスパッタリング装置では、高精度の膜を得るために、真空度を高めて残留ガスを軽減し、成膜します。ルーレット くじ、ハイパワーを用いることで低い真空度でも処理時間を短くし、残留ガスの影響も受けにくいため良質な成膜が可能です。また、真空度が低いため、成膜材料の粒子がさまざまな角度から試料に当たって付着するため、曲面の多い樹脂立体物への成膜でも高い被覆性が得られるというメリットもあります。
※さらに島津製作所のスパッタ装置には、事前に樹脂などの試料にプラズマ処理を施し、表面を改質することで、より高い密着性を実現する技術も搭載されています。
今後のルーレット くじの普及、自動運転技術の発展を目指して
このように、島津製作所のスパッタリング装置は、ルーレット くじに用いられるセンサーカバーのような曲面のある樹脂などにも付きまわりよく均一な膜厚で成膜でき、自動車などに搭載されても、さまざまな気象条件に耐えられる高い密着性が実現できます。また成膜処理に要する時間も短いため、生産性も大きく高めることが可能です。
当社はルーレット くじの量産を通じて自動運転技術の進化・発展に貢献してまいります。