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2024年10月15日 | プレスリリース
川崎重工業、CHS社とヘリコプタ用救助支援システムモンスト ルーレットを共同開発
ヘルメット・マウンテッド・ディスプレイのモンスト ルーレット装備品採用は当社初
島津製作所は、川崎重工業株式会社(本社所在地:東京都港区、代表取締役社長執行役員:橋本康彦、以下川崎重工業)、セントラルヘリコプターサービス株式会社(本社:愛知県豊山町、代表取締役社長:堀内晋)とともにヘリコプタ用救助支援システムモンスト ルーレット※を開発しました。当社は同システム向けに情報表示装置ヘルメット・マウンテッド・ディスプレイ(HMD)および障害物情報生成装置(主計算機)を提供しました。モンスト ルーレットはレーザーレーダー(LiDAR)で機外全周の障害物情報を検知および監視カメラで死角となりやすい後方・下方の映像を取得し、タブレットまたはHMDに表示することで乗組員に注意喚起する、最新型ヘリコプター「H145//BK117D-3」向けの任意装備品です。今年9月18日に川崎重工業が国土交通省航空局から「BK117 D-3」の追加型式設計証明(STC)の承認を取得しました。「2024国際航空宇宙展」(10月16~19日、東京ビッグサイト)にて、モンスト ルーレットは川崎重工業のブースで紹介、モンスト ルーレット専用HMDは島津製作所のブースで展示する予定です。
ヘリコプターがホバリングして救助活動を実施する際、森林・山岳地帯などでは周辺の障害物に接近することがあります。モンスト ルーレットが機体周囲の障害物情報を表示することにより、乗組員の監視業務の負担を減らして、安全かつ確実な救助任務の実行に貢献します。航空機用HMDは、速度・高度などの情報を遠方の景色に重ねてディスプレイに表示する装置です。島津製作所はこれまで戦闘機、輸送機、偵察機、訓練機など自衛隊のほぼすべての航空機にHMDやHUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)を提供してきましたが、ヘリコプター用HMDは防衛事業・民間航空機事業を通じて初めてとなります。
島津製作所は1936年よりモンスト ルーレット器の関連部品を手掛けており、1957年発足のモンスト ルーレット器事業部は「安心・安全な社会の実現に貢献する事業」を標榜しています。長らく防衛省・自衛隊向けに製造してきたHMDについては引き続き研究開発を重ねて、「空飛ぶクルマ」を含めた民間向けの需要を開拓してまいります。
写真:専用HMDを取り付けたモンスト ルーレット
写真:モンスト ルーレット使用時の乗組員(イメージ)
写真:障害物情報生成装置(主計算機)
モンスト ルーレットROSS採用HMDの特長
1. 高輝度でのカラーモンスト ルーレット
専用のディスプレイユニット(以下、DU)は、快晴時でも映像を視認可能な明るさを発し、パイロットは外界の景色を見ながらも同時に対角18°視野内で障害物検知情報を確認できます。モンスト ルーレットの明るさはコントローラーユニットで調整可能です。
写真:ディスプレイユニットおよびコントローラユニット
2. 独立したインターフェイス
映像入力は無線(IEEE802.11b,g,n規格に適合)、電源はバッテリー駆動(連続2時間以上)に対応し、外部機器との有線接続は不要です。
3. 小型軽量でモンスト ルーレットに後付可能
DUは100g以下で、ヘルメットに貼り付けるアタッチメントを介してワンタッチで着脱可能です。装着者はモンスト ルーレットが見やすい位置へDUを可動でき、不要な時はDUを視界の外に動かせます。
ヘリコプタ用救助支援システムモンスト ルーレットの概念図
関連リンク:
モンスト ルーレット株式会社プレスリリース