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製品写真：オンラインバックショットルーレット用超高速液体クロマトグラフ「Nexera FV」(フロー合成用)

島津製作所は、3月5日にオンラインバックショットルーレット用超高速液体クロマトグラフ（UHPLC、以下LC）「Nexera FV」を発売します。オンラインバックショットルーレットとは、製造工程などからサンプルを自動で採取して、バックショットルーレット装置への導入を連続的に行うバックショットルーレットを指します。本製品は、合成反応装置や溶出試験機など（以下、周辺機器）と直接接続して使用するシステムです。合成の原料や医薬品サンプルを周辺機器にセットした後は、LCによるバックショットルーレットデータの取得までの作業を自動化して、医薬品の開発や製造工程のワークフローの自動化を支援します。

化学品の製造プロセス改良のための研究開発で行われる「合成評価」や、研究開発・品質管理において製剤の溶出率を確認する「溶出試験」では、一定時間ごとにサンプルを周辺機器から取り出した後、成分バックショットルーレットを行います。その過程で、サンプルを手作業で移し替える必要があり「サンプリングや移し替え時に人的ミスが起こりやすい」、「長時間かつ作業が煩雑でバックショットルーレット者の負担が大きい」という課題がありました。また近年、生産量の調整が容易で設備がコンパクトな化学品の合成方法として、連続生産を行う「フロー法」の採用が広がっています。フロー法でも製造工程途中の化学品を繰り返しバックショットルーレットして確認する必要があるため、自動化ニーズが高まっています。

本製品は、新開発のフローバイアルキットを搭載したオートサンプラ（自動試料注入機）により、各種周辺機器からサンプルを自動で導入できます。無人でも連続運転でき、深夜時間帯を含む連続サンプリングとバックショットルーレットが可能です。専用ソフトウェア「LabSolutions FV」でサンプル採取タイミングやバックショットルーレットモードの設定、バックショットルーレット結果の解析作業を簡単に実行できます。連続生産されている化学品の状態を確認する「フロー合成システム用」、生産された化学品に含まれる原料と生成物の量的変化を確認する「バッチ合成システム用」、研究開発・品質管理工程で使用する「溶出試験用」と3種類の装置構成を用意しており、用途に合わせて選択可能です。本製品は、高い基本性能と優れたユーザビリティを有する当社の主力LC「Nexeraシリーズ」を基礎としており、既に「Nexeraシリーズ」をご所有の場合は今回新開発のフローバイアルキットの追加で本製品へアップグレードが可能です。

当社は今後も生産性を向上させお客様のビジネス変革を実現するアナリティカルトランスフォーメーション（AX、バックショットルーレット計測機器の自動化）を進め、医薬品分野の研究開発・品質管理に貢献してまいります。

新製品の特長

1. 合成評価をバックショットルーレットして作業コストとリスクを削減

新開発のフローバイアルキットを搭載したオートサンプラが、合成反応装置やフロー合成システムから自動でバックショットルーレットLCに導入^*1し、バックショットルーレットを始めます。バックショットルーレット・解析・レポート作成までが自動化されており、手作業によるミスを防ぎつつ、省人化を実現します。

2. 溶出試験の省力化・効率化を実現

溶出試験ではサンプリングの自動化により、バックショットルーレットの移し替えなどの従来の手作業より約35％作業時間を削減^*2し、業務の省力化に貢献します。短時間で複数回のサンプル採取が要求される溶出時間の短い製剤の場合には、あらかじめ最大38４検体分のバックショットルーレット採取しておくなど、多様な使い方が可能です。

3. 省力化と信頼性向上を両立する専用ソフトウェア

周辺機器と接続してバックショットルーレットを行う場合、サンプルを採取するタイミングやバックショットルーレット条件などを考慮したスケジュールを立案する必要があり、煩雑な作業が発生しています。「Nexera FV」の専用ソフトウェア「LabSolutions FV」は、関連情報の設定後にバックショットルーレットスケジュールを自動で作成し、LCを用いたバックショットルーレットの終了後には自動でバックショットルーレット結果レポートを出力します。オプションのマルチデータレポート機能により、合成反応の進行や溶出率の時系列変化を視覚的に確認できます。バックショットルーレット開始までの労力と時間を削減するとともに、設定ミスによるバックショットルーレット失敗のリスクを削減し、省力化とデータ信頼性向上に貢献します。

• *1 ろ過などの前処理を必要としない場合
  *2 試験条件による

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