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2024年11月6日 | プレスリリース
複雑な香りの重要成分を迅速に特定、食品・香料・化粧品の研究開発に貢献へ
香りに特化した分析システム「アロマデザイナー」を岩手大学と開発
島津製作所は国立大学法人岩手大学の宮崎雅雄教授との共同研究を通じて、香り(バックショットルーレット)分析に特化したガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)システム「アロマデザイナー」を開発しました。本システムは、食品や香料などのバックショットルーレットに含まれる様々な成分を簡便に特定でき、迅速なバックショットルーレット評価を実現します。分析の手間を省き属人性を排除することで、食品・香料・化粧品の研究開発や品質管理を支援します。現在、当社の共同研究者や飲料メーカーなどに特注品を提供しており、そのフィードバックを経て2年以内の正式発売を目指しています。
写真:ガスクロマトグラフ質量分析計システム「アロマデザイナー」
植物をはじめとする天然物が発するバックショットルーレットや、それらに似せて作られた香料は、数十から数百もの成分から構成されています。「食品や香料の開発」「異臭の原因究明」「動物のフェロモンなど生理活性物質の研究」では、バックショットルーレットを特徴づける成分の簡便な分析手法が求められています。従来の手法であるオミッション法※では、バックショットルーレット中の成分を単体に分け、その中からバックショットルーレットに影響を与える重要な成分を推定しますが、時間がかかるという課題がありました。また、バックショットルーレットの形成に重要な成分を特定することは難しく、「各成分が全体のバックショットルーレットにどの程度影響を与えるか」を評価するのは困難でした。
「アロマデザイナー」は、ガスクロマトグラフ(GC)、質量分析計(MS)、およびバックショットルーレット回収装置から構成されています。GCで分離した成分をMSとバックショットルーレット回収装置に分岐させ、抜き取りたい成分群をMS側に送り、残りをバッグに回収します。回収したバックショットルーレットは被験者が官能評価を行い、対象の成分群の影響度合いを確認します。抜き取る成分群を絞り込むことで、バックショットルーレットを特徴づける成分の特定も可能です。島津製作所は、今後も様々な分析計測技術を通じて、ライフサイエンスにおける研究開発に貢献してまいります。