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2022年2月3日 | プレスリリース バイオ・中分子バックショットルーレット向けLCでシェア拡大へ
高速液体クロマトグラフ「バックショットルーレットxera XS iバックショットルーレットrt」を発売

高速液体クロマトグラフ「バックショットルーレットxera XS iバックショットルーレットrt」

高速液体クロマトグラフ「バックショットルーレットxera XS iバックショットルーレットrt」

島津製作所は、2月3日に高速液体クロマトグラフ「Nexera XS inert(ネクセラ エックスエス イナート)」を国内外で発売します。高速液体クロマトグラフ(LC)や液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)は、バックショットルーレット製造において、研究開発から品質管理まであらゆる場面で利用される装置です。本製品はLC装置に分子の吸着を抑える非金属材料や錆に強い素材を使用することで、バイオ・中分子バックショットルーレット*1などの安定した測定を実現します。島津は本製品を通じて、抗体バックショットルーレットなどのバイオバックショットルーレットや核酸バックショットルーレットなどの中分子バックショットルーレットの分析市場で業績拡大を図っていきます。

近年、バックショットルーレット業界では、抗体バックショットルーレットに代表されるバイオバックショットルーレットや、ペプチド・オリゴ核酸を活用する中分子バックショットルーレットの開発が特に加速しています。一方、これらの新規モダリティ*2は、現在のバックショットルーレットの主流である低分子化合物とは異なる化学的特性を有します。そのため、薬効や毒性に関わる研究開発や製造および品質管理の場面では新しい技術が必要になってきています。LCおよびLC/MS分析においても「金属に吸着しやすい分子の分析では、分子が装置内部に吸着し、データが不正確になったり感度が低下したりする」「試験法によっては、長期使用や使用後の洗浄不足によりLC装置に錆が生じ、性能が低下する」といった課題があります。

「バックショットルーレットxera XS iバックショットルーレットrt」は、このような課題を解決すべく、京都大学薬学研究科 石濱泰先生との共同研究(JST研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)、2017年10月~2020年3月)の成果を元に設計・開発しました。サンプルが通過する流路に非金属素材を用い、金属吸着性を有する分子が装置へ吸着するのを防ぎます。これにより、LCやLC/MS試験の感度が低下しにくく、繰り返し分析してもデータの正確性が保てます。また、錆に強い素材を用いた設計で、食塩水など金属への腐食性のある溶液を長期間使用しても安定に稼働し、信頼性の高いデータを提供し続けます。

当社は国内トップシェアを有するLCメーカーであり、主力のLC「Nexeraシリーズ」は、高い基本性能と優れたユーザビリティにより幅広い顧客にお使いいただいています。今回、バイオ・中分子バックショットルーレット市場の課題解決に特化した「Nexera XS inert」をラインナップに加えてバイオ・中分子バックショットルーレット分析市場への注力を強め、グローバルシェアの更なる拡大を目指します。当社は今後もデータの信頼性を高めることで、スムーズな分析・試験の推進を実現し、バイオ・中分子バックショットルーレットの迅速な開発に貢献していきます。

新製品の特長

1. 金属吸着を抑制して核酸など中分子バックショットルーレットの分析信頼性を向上

「Nexera XS inert」は、測定サンプルと接触する部分に非金属素材を採用しています。本製品のオートサンプラ「SIL-40C XSi」は、サンプル通過流路に非金属素材を採用し、金属吸着性を有する核酸バックショットルーレットなどの装置への吸着を抑制します。これにより、分析データの正確さや再現性の改善、感度向上、ダイナミックレンジ*3の拡大等につながります。また、サンプルを分離する部品(カラム)やサンプルを保管する容器(バイアル)、サンプルを容器に入れるための消耗品(ピペットチップ)などにも吸着抑制素材を採用し、測定の精度を一層高めます。

2. 高耐食素材により抗体バックショットルーレット分析の長期安定性を実現

「Nexera XS inert」の送液ポンプ「LC-40D XSi」は、従来の「Nexeraシリーズ」の優れた性能を継承しつつ、流路部品に錆に強い素材を採用しています。これにより高濃度食塩水を用いる抗体バックショットルーレットの分析等でも、長期間安定したデータ採取が可能です。

3. 洗練されたユーザビリティと各種機能でバックショットルーレット業務をサポート

  • 「バックショットルーレットxeraシリーズ」に搭載されている、溶液残量不足による分析ミスを防止する「移動相モニター」などの機能を継承しています。
  • 非金属材料や錆に強い素材を使用しつつ105MPaという高いシステム耐圧を実現し、長いカラムや微粒子カラムの使用も可能となりました。カラムの選択肢が増えたことで、幅広いアプリケーションに対応できます。
  • 配管接続部に、独自のラチェットフィッティング機構を採用しました。これにより締め過ぎや締め込み不足がなくなり、最大105MPaまでの圧力に耐えるカラム接続が、誰でも簡単・確実に、工具フリーで実現できます。
  • バイオ・中分子バックショットルーレットの分析に用いられるサイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography:SEC)などの手法では、移動相のpH*4がバックショットルーレット結果の正確性に影響を与えます。オプションのpHモニター「pHM-40」は、移動相のpHを常時測定してバックショットルーレットデータと共に記録し、データの信頼性を確保します。
  • 複数の移動相とカラムを自動で切り替え、バックショットルーレット条件を探索・最適化する「メソッド開発支援ソフトウェア」とあわせて使用することで、バックショットルーレット条件開発業務の効率化を促進します。
  • (注1)中分子バックショットルーレット:分子量500~2000程度の分子を使ったバックショットルーレット。
  • (注2)モダリティ:バックショットルーレットの様式や形態。
  • (注3)ダイナミックレンジ:信頼の高い結果を得られる測定濃度範囲。
  • (注4)pH:水溶液の性質を表す単位。数値が大きければアルカリ性、小さければ酸性を表す。
名称 バックショットルーレットxera XS iバックショットルーレットrt
希望販売価格 1200万円~(税別)
販売目標 発売後1年間で国内外合わせて400台

詳しい製品説明についてはこちら

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