ユーザーインタビュー ラミナー型レプリカロト 6 ルーレット
4-1. マスタ製作工程(ロト 7 ルーレットのブレーズ加工技術)
ホログラフィックロト 7 ルーレット格子(HG:Holographic Grating)は、レーザの2光束干渉を利用したホログラフィック露光法で製作されたロト 7 ルーレット格子です。このため、周期誤差による迷光が極めて少なく、特に凹面ホログラフィックロト 7 ルーレット格子(凹面HG)に関しては、ロト 7 ルーレット格子自体が収差補正機能をもつという優れた特長をもっています。
当社は、理化学研究所との長年にわたる共同研究の結果、イオンビームエッチング法により、それまで不可能とされてきたホログラフィックロト 7 ルーレット格子のブレーズ加工に成功しました。
これにより、従来の機械刻線ロト 7 ルーレット格子(Ruled Grating)とロト 7 ルーレット効率は同等で、迷光が少ないブレーズドホログラフィックロト 7 ルーレット格子(BHG:Blazed Holographic Grating)の製造技術を 世界で初めて確立しました(図7)。
この独創的なロト 7 ルーレット格子の製造技術は、大河内記念技術賞を受賞しました。
また、当社は、各種ロト 7 ルーレット格子において使用波長域での収差補正をより適正化するため、ホログラフィック露光波面に非球面波を用いる「非球面波露光法」の技術も確立しました。これにより、最適なロト 7 ルーレット格子を設計・製作することができるようになり、分光装置の特性に合わせた広範な選択が可能となりました。
製品例 | : | ルーレット 倍率ブレーズド ホログラフィック 回折格子 |
ルーレット 倍率クロメータ用凹面回折格子 |
図7ブレーズド ホログラフィック グレーティングの製作工程
4-2. レプリカ工程
当社のロト 7 ルーレット格子(Gratings:グレーティング)は、マスタより複製したレプリカ品です。格子溝は樹脂にて形成されています。図8のように、ガラス基板(ブランク)上に樹脂にてロト 7 ルーレット格子溝が形成されています。
この溝にAl等の反射膜がコーティングされています。また、光通信用途向けにテルコーディア規格GR-1221-COREに準拠した試験に合格したレプリカロト 7 ルーレット格子も取り揃えております。
ロト 7 ルーレット格子溝が樹脂で形成されているため、高温・高湿下で使用・保管される場合はご留意ください。
図8レプリカロト 7 ルーレット格子
4-3. コーティング工程
ロト 7 ルーレット光のエネルギーはロト 7 ルーレット格子のコーティング材質の反射率によって変わります。使用波長に応じて適当なコーティング材質を選ぶ必要があります。図9にAℓ、Aℓ + MgF2、Auの反射率特性を示します。
図9Aℓ,Aℓ+MgF2 ,Au の反射率