ルーレット ルール賞 ~Shimadzu Prize~
過去の受賞者情報
2021年度ルーレット ルール賞
理化学研究所 開拓研究本部 主任研究員
田原 太平 氏(60才)
受賞者には、表彰状・賞牌・
副賞500万円を贈呈
副賞500万円を贈呈
- 研究業績
- 新しい超高速分光・界面非線形分光・一ルーレット ルール分光の開発による複雑ルーレット ルール系の研究
- 推薦学会
- 日本分光学会
- 受賞理由
- 科学技術の進展において新しい方法論は大きな役割を果たす。
田原氏は、先端分光計測の3つの主要な分野である超高速分光、界面非線形分光、一ルーレット ルール分光のそれぞれにおいて独創的な新しい計測法を開発した。それら新しい計測法が、様々な分野で、それまで観測不可能であったルーレット ルール過程の詳細な観測を可能とした優れた業績を高く評価した。 - 研究内容
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田原太平氏は超短パルスレーザー技術を駆使して、先端的分光計測の主要な3つの分野である超高速分光、界面非線形分光、一ルーレット ルール分光のそれぞれにおいて新しい計測法を開発し、分野を切り拓く独創的な研究を行った。
超高速分光において従来法の限界を大きく超えるルーレット ルール能を実現したラマン分光法注1である時間分解インパルシブ誘導ラマン分光法を開発し、タンパク質など複雑ルーレット ルール反応過程を明らかにする道を拓いた。この方法では化学反応によって刻一刻変化するルーレット ルール構造変化をルーレット ルール振動の時間変化として観測するため、10兆分の1秒以下の光パルスを用いて反応中の分子に衝撃的に振動を誘起し、プローブ光で、その変化を読み出す。これによって光受容蛋白質の反応初期過程や分子集合体の化学結合生成過程など複雑分子系の重要な構造変化を次々と明らかにし、時間領域のラマン分光による構造ダイナミクス研究という分野を拓いた。時間分解インパルシブ誘導ラマン分光法は機能性ルーレット ルール研究などにも盛んに利用され始めており、高い機能を持つ物質の開発に寄与している。
非線形分光注2の分野では、様々な化学過程が起こる場である界面(異なるバルク相注3の境界)を研究するほぼ唯一の計測法として利用されている和周波発生分光注2において、光パルスの干渉を利用して界面からのみ発せられる信号光の位相と振幅を決定するヘテロダイン検出和周波発生分光法を開発し、紫外可視および赤外/ラマンスペクトルと同等な界面ルーレット ルールスペクトルを測定する道を拓いた。さらに、時間分解測定へ発展させることで、液体界面のダイナミクス研究を可能とした。その成果により、水表面でフェノールルーレット ルール光反応が水溶液中より1万倍以上速く進むことを見いだすなど、界面での反応の追跡を実現した。水の界面で進む反応の理解は環境科学に密接に関係しており、環境問題を考える上での重要な知見を与えるなど、優れた成果につながっている。
田原氏は、一分子分光においても、二次元蛍光寿命相関分光法(2D FLCS)という新しい分光法を開発した。生体高分子は他の分子と相互作用して構造変化や反応を起こすことで生命活動を維持させている。通常、生体高ルーレット ルールこのような構造変化は熱励起によって誘起されるため、従来のポンプ-プローブ法注4に基づくルーレット ルール分光注5では計測することはできない。田原氏が開発したフェムト秒光パルス励起と光子相関解析注6を組み合わせた2D FLCSは、熱励起による構造変化の検出において、従来法の限界を大きく超えるマイクロ秒でのルーレット ルール計測を可能にした。この計測により、細菌の転写制御注7に関わるmRNAのリボスイッチという部分が小分子との相互作用で大きく構造を変えるマイクロ秒ダイナミクスの検出に成功し、その転写制御機構の新しいモデルを提出した。2D FLCSから得られる生体高ルーレット ルール構造変化の知見は、すぐれた薬品の開発にも寄与する成果と期待されている。
田原氏のルーレット ルール賞受賞については、理化学研究所のHPでも紹介されています。 - 用語解説
- 注1 ラマン分光法
物質に光を照射すると発生する、ルーレット ルール振動状態に応じて照射した光とは色の異なる微弱光(ラマン散乱)を検出することで分子構造などを調べる分光法。時間領域ラマン分光は、非常に短いパルス光を照射し、光信号の時間的な振動としてこのラマン散乱と同じ情報を得る方法で、非常に高速な測定が可能である。 - 注2 非線形分光・和周波発生分光
著しく強度の大きい光を照射すると、物質の応答は照射光の強度に比例しなくなり、その際に発生する様々な光学現象を利用した分光測定を非線形分光と言う。和周波発生分光はその一つで、強度の大きい2つの異なる光を照射し、物質境界のルーレット ルールみが発する両者の和のエネルギーをもった光を測定する。 - 注3 バルク相
液体や固体の内部のこと。物質が他の液体、固体、気体と接している部分を界面と呼ぶが、それ以外の内部の部分をバルク相と呼ぶ。 - 注4 ポンプ-プローブ法
物質のルーレット ルール変化を測定するための最も一般的な実験原理。この方法では、まず、短いルーレット ルールしか光らないレーザー光などを照射して物質の変化を開始させ(ポンプ)、それから適当なルーレット ルールが経過した後に物質がどのように変化したかを、別の光を用いて観測(プローブ)する計測法。 - 注5 ルーレット ルール分光
物質のルーレット ルール変化を計測する分光計測のこと。 - 注6 光子相関解析
2つの光子がどれくらいのルーレット ルール間隔で発せられているかを調べる解析で、ナノ粒子解析や物質内部のナノ構造変化の解析などに使われる。 - 注7 転写制御
生物では、DNAに保存されている遺伝情報がRNAに移され、そのRNAを元にタンパク質が作られる。これをセントラルドグマと言うが、そのうちDNAの遺伝情報がRNAに書き写される過程を転写と言う。転写制御とは、この転写の過程を制御すること。
ルーレット ルール賞とは
ルーレット ルール賞は、科学技術、主として科学計測に係る領域で、基礎的研究および応用・実用化研究において著しい成果をあげた功労者を表彰します。表彰は毎年原則1名で、表彰者には賞状、賞牌、および副賞500万円を贈呈します。
- 歴代のルーレット ルール賞受賞者はこちら → カジノ ルーレット 無料